肺がん検診(スクリーニング検査)には、喀痰細胞診、胸部単純X線検査、CT検査などがあります。それぞれの検査や判定など解説します
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肺がん初期症状肺がん初期症状

スクリーニング検査

喀痰細胞診(かくたんさいぼうしん)

喀痰細胞診の検査とは、採取した痰を顕微鏡で見て、がん細胞の有無を調べる検査です。また、単純胸部Ⅹ線検査で肺がんの疑いがあるときにも行われます。なお、ヘビースモーカーとは、ブリックマン・インデックスという喫煙指数によると、1日20本なら20年、1日40本以上なら10年間吸い続けた場合とされています。起床後、うがいをして口の中をきれいにしたあと、溶解液の入っている容器に、大きな咳をして痰をとります。このとき唾液や鼻汁がまざらないように気をつけます。痰は3日間採取します。痰の出にくい人は、蒸気を吸い込んで、痰を出やすくして採取しますが、どうしても痰が出ない場合は、検査できません。痰は比較的太い気管支から分泌されるので、喀痰細胞診は肺門型(中心型)肺がんといって、肺の入り口に近いところにできるがんを発見するのに適しています。

判定区分 細胞所見 指導区分
A 喀痰中に組織球を認めない 材料不適、再検査
B 正常上皮細胞のみ 現在異常を認めない
基底細胞増生 次回定期検査
軽度異型扁平上皮細胞
線毛円柱上皮細胞
C 中等度異型扁平上皮細胞、核の増大や濃染を伴う円柱上皮細胞 程度に応じて6カ月以内の追加検査と追跡
D 高度異型扁平上皮細胞、または悪性腫瘍の疑いのある細胞を認める ただちに精密検査
E 悪性腫瘍細胞を認める

喀痰細胞診の検査判定

胸部単純Ⅹ線検査

a0782_000333_m.jpg胸部単純Ⅹ線検査は一般に、結核の早期発見も兼ねて行われています。この胸部単純X線検査は、背中側からⅩ線を照射する直接撮影で、肺全体をみることができます。主に、肺野型(末梢型)肺がんといって、肺の奥のほうにできたがんを発見するのに有効です。Ⅹ線検査では、心臓や骨は白く映り、肺は黒く見えます。黒い肺に白い部分(陰影)が映るとき、がんの可能性があります。注意点として、集団検診の胸部単純Ⅹ線検査で異常があると疑われると、精密検査を受けるようにすすめられますが、異常の疑いがあるからといって、肺がんとは限りません。肺結核、肺炎、肺の良性腫瘍、じん肺、肺真菌症など、肺がん以外のいろいろな病気も陰影として映るからです。胸部単純Ⅹ線検査は、肺になんらかの異常の可能性がないか見つけるものと考えるといいでしょう。しかし、異常の疑いが肺がんとは限らないということは、すすめられた精密検査を受けなくてもいいということではありません。本当に肺に病気があるのか、あるとしたらどんな病気なのかを調べることが必要なので、すぐに精密検査を受けましょう。また、逆に、Ⅹ線検査で異常が見つからないからといって、肺がんがないとも言い切れません。2cm以下のがんは単純胸部Ⅹ線検査では見つけにくいからです。骨などの陰にがんがあるために見えない場合もあります。

CT検査

CT検査CT検査とは、Ⅹ線とコンピュータを組み合わせて行うもので、人体を輪切りの状態にして、その断面を画像にします。単純胸部Ⅹ線検査より精度が高く、2cm以下のがんを見つけることも可能です。
ただ、CT検査をスクリーニングとして毎年行うべきかどうかについては放射線被曝の問題もあり、専門医の間でも統一した見解は出ていません。特に、若い人が毎年CT検査を受け続ければ、放射線被曝の量が多くなります。確率は低いとはいえ、20年後、30年後のがんの発生につながる可能性もあります。今後も効率的なCT検診の方法が確立されることを望みます。
低線量ヘリカルCT検査がスクリーニング検査に入れてあるのは、低線量ヘリカルCT検査の有効性を感じているからです。単純胸部X線検査しかなかった時代にはだれもが2㎝以下の肺がんは見つけることがむずかしかったので、CT検査はデメリットよりメリットのほうが大きいでしょう。

ヘリカルCT検査

ヘリカルCT検査とは、Ⅹ線を連続的にらせん状に照射させる検査です。その結果、連続した画像が撮影できます。このヘリカルCT検査は、10秒前後息を止めるだけで、肺全体を撮影することができるので、画像のブレも起こりません。最近では、ヘリカルCT検査をさらに発展させたマルチスライスCT装置も登場し、徐々に普及してきています。これは、一度の回転で複数枚の断層撮影をするもので、最新の装置では、64列CTといって一度に64枚のスライス撮影ができるようになっています。この装置により、見たい方向の画像が撮れ、臓器を立体化する画像も可能となりました。特に、心臓や血管などのように絶え間なく動いているところを検査したり、肺がんの手術をする際にも利用されています。このような高性能のCTの登場により、単純胸部Ⅹ線検査では心臓や背骨の影になってしまうがんも発見することができるようになっています。また、直径5mm程度の肺がんや、すりガラス陰影という、ほぼ100%治癒する超早期の肺がんも発見できるようになりました。治りにくいといわれている肺がんですが、ごく小さながんや、すりガラス陰影を発見する率が高くなれば、それだけ、治癒率も高くなるわけです。ヘビースモーカーの人やなんらかのがんにかかったことのある人、家族ががんにかかったことのある人などは、スクリーニング検査として選択の中に入れてもいいでしょう。

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